政権政党の責務 (2009年2月23日配信)
■■■ 政権政党の責務 ■■■
(自民党低迷の理由)
「自民党の支持率が下がっているのは、なぜだと思いますか?」先日のミニ集会で、参加者からこのような質問をいただきました。
総理の発言等色々な理由がありますが、ここ数年にわたる自民党への批判を考え、次のように答えました。
「ここ数年の社会保障制度の改正、すなわち平成16年の年金制度改正、平成17年の介護保険制度改正、平成18年の医療制度改正と平成19年の後期高齢者医療制度の改正が、十分な理解を得られないまま国民の批判を浴びたことが根本にあります。その上に社保庁の杜撰な事務処理問題や天下り問題などが重なって、自民党への大きな批判となっていると思います。」と。
では何故、自民党は国民から批判を浴びるような改正を毎年続けたのでしょうか。
一言で言うならば、少子高齢化が予想以上の早さで進み、このままでは従来の社会保障制度を維持していくことが困難になると見込まれるからです。当然、国民負担が増える改正だけに批判は予想されましたが、責任政党としては避けて通れない改正でした。
(社会保障制度改正)
先ずは年金制度改正で、急速な少子高齢化のなか年金制度を確かなものとするため、百年で年金の収支が合うよう制度設計をやり直し、それに見合う負担増と給付減をお願いした改正でした。大変な批判を浴び参議院選挙は敗れましたが、現在もこの年金制度は有効に機能しています。
次は介護保険制度改正で、急増する介護費に対応するため、負担と給付の見直しと予防介護の導入をしました。
そして平成18年には、医療費適正化に向けた医療制度の改正を行い、診療報酬の大幅な削減等の改正がなされ、さらに翌年に後期高齢者医療制度が導入されました。
一連の改正の結果、福祉関係者や医療関係者そして高齢者の方々から大きな批判を浴びたところです。
反省すべき点も見直すべき点も多く、今後の課題ですが、以上の年金・介護・医療の大改正は、急速に進む少子高齢化の下、限られた財源(税金と保険料と借金)で、安心の基本である社会保障制度をどう守り維持するかの観点で行いました。
しかし、野党とマスコミのいささか誇張された批判の前に、国民の十分な理解を得られていないことは誠に残念です。
(政権政党の責務)
さて現代は、少子高齢化のみならずグローバル化やICT化などによるパラダイムシフト(物の見方や考え方の変化)が起こり、これに対応するために様々な既存の制度等を見直さざるをえなくなっています。
今日まで、社会保障制度改正のみならず、三位一体改革や郵政民営化も行われ、さらに平成18年成立の行政改革推進法に基づき、広範な分野で大胆な改革が進められています。
例えば、公務員制度改革や総人件費改革、政策金融機関の再編や独立行政法人の見直し、特別会計の改革や国の資産・債務改革、さらに規制改革などです。
そして、これらの改革は現在も計画に沿って推進されていますが、積極派・消極派の双方からの様々な批判があります。そのような中、郵政民営化は3月末に3年目の見直し期限を迎えますし、規制緩和により不都合の生じたものも必要に応じ見直されています。元に戻すということではなく、より良いものにするため柔軟に対応していくことは必要です。
現在は、過渡期にあります。難しい状況が続きますが、目ざすべき方向を決して見失うことなく、着実にやるべきことをやっていくことが大切ですし、政権政党の責務です。
一日も早くこの難局を乗りこえ、新しい時代を迎えられるよう地道に頑張ります。
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